運動の目安・ペーシング

各PSごとの目安、運動時間、休憩(インターバル)時間、目標繰り返し回数について、まとめてみました。
あくまで暫定版で、「このくらいでどうでしょうか」という感じです。
あくまで自分で動かす時間ですので、理学療法士さんやご家族などに他動的に動かしてもらう時間は別です。

PS 目安 運動時間等 休憩時間 1日の繰り返し回数
PS 0 症状なし 個人差はあるが、基本的には自由に運動可能。ただし、激しい運動はできるだけ2日に1回で。
PS 1 疲れることはあるが、倦怠感は出ない 15〜30分の運動を繰り返す。
強めの運動は2日に1回で。
3分以上 目標10回以上
PS 2 2日続けて数時間出かけても疲れない 15分の運動を繰り返す。
強めの運動は2日に1回で。
3分以上 目標10回以上
PS 3 屋外で、自分のペースで休まずに10分歩いて疲れない 10分の運動を繰り返す。
散歩など、外での運動は2日に1回で。
5分以上 目標10回以上
PS 4 5分間、軽い家事ができる 5分の運動を繰り返す。
家事、ストレッチ、軽い筋トレなど。
3分以上 目標20回以上
PS 5 3分間、軽い家事ができる 3分の運動を繰り返す。
家事、ストレッチ、ごく軽い筋トレなど。
5分以上 目標20回以上
PS 6 1分間、皿が洗える 1分の運動を繰り返す。
家事、ストレッチなど。
10分以上 目標20回以上
PS 7 家の中は歩き回れる 20秒の運動を繰り返す。
座って足踏み、ベッド上でできるストレッチ、運動など。
30分以上 目標20回以上
PS 8 トイレには行ける 5秒の運動を繰り返す。
関節を少しずつゆっくり動かすなど。
30分以上 目標20回以上
PS 9 トイレにも行けない 1秒の運動を繰り返す。
手足の指の曲げ伸ばし、足首や股関節などをゆっくり少し動かすなど。
30分以上 目標20回以上

大事なことは、「酸欠にならずに血流だけ良くすること」です。
酸欠になると、脳や体にダメージが入って治りが遅くなってしまいます。

運動としては、PS別運動療法を強くお勧めします。

スマホ操作や読書、テレビ視聴など、頭を使う作業は運動の時間の2倍までが目安です。
たとえば、PS 4の方であれば、10分までに抑えるようにしてください。

また、休憩時間には、できれば野崎先生と共同開発した PS別呼吸リハの中から、自分にあっていると感じるものを選んで1つ~いくつかやっていただくと良いだろうと思います。
その際「頑張って呼吸するぞ!」ではなく、楽に力を抜いてテキトーに取り組むようにしてください。

腕で支えるストレッチや腕の筋トレなどは、呼吸に使う筋肉を固めて呼吸が浅くなってしまうことから、症状を悪化させてしまうことが多いですから、避けるようにしてください。
ただ、動かないでいると一番硬くなりやすいのが「肩」ですので、腕・肩はしっかり回しておくことが必要です。

PS 8~9の方だと、腕をわずかに持ち上げるだけでクラッシュしてしまう方もおられたりしますので、そういう場合は自分でやらずに、ご家族(できれば訪問の理学療法士の先生)に動かしてもらうのが良いと思います。

肩がしっかり動かないと
寝返りが打てない→疲労がたまる
ということが起きますので、肩はとても大切。

運動の内容ですが、腕で支えないタイプのストレッチ、歩行(PS 5~7なら家の中のみ)、軽い筋トレなどが良いかなと思います。
症状が重ければ、座ったまま足踏みとか、寝たまま足を少し動かす、などでもよいと思います。


負荷を上げるタイミング

調子がすごく良ければ、週に1回、「チャレンジタイム」を設定するとよいと思います。
今のPSより一つ下のPSの内容を、少し試してみる感じになります。
(例:PS 8の方であれば、20秒の運動を1回やってみる)

チャレンジしてみて、翌日まで経過を見てなにも起きなければ、1日おきに一つ下のPSの運動内容で過ごしてみてください。
(例:PS 8の方であれば、1日おきに20秒の運動を20回/日行ってみる)
くれぐれもチャレンジタイム翌日に再度チャレンジを繰り返すようなことがないようにしてください。
高確率で悪化します。

上記で特に問題なければ、次のチャレンジタイムで2日続けて一つ下の運動内容で過ごしてみてください。
(例:PS 8の方であれば、2日続けて20秒の運動を20回/日行ってみる)

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